オートノミートレーニング研究会

会員専用ページ

これからの研究

ハイデルベルク研究への関与

 ハイデルベルク研究の追跡データ収集やデータ解析作業に、共同研究者として参加します。介入方法であるオートノミートレーニングの独自性に加えて、曝露因子として評価されている心理社会的要因・身体的要因の多くも極めてユニークであるため、多くの新たな知見が得られることが期待されます。本研究会では、がん・心血管病・認知症など慢性疾患の一次予防に関する複数の介入研究を主な参加対象とします。また、それらの作業過程で得られるノウハウを、今後日本で研究をデザインし遂行する際に役立てます。

日本における研究

a. オートノミートレーニングの修得とカスタマイズ
 これまでに、開発者であるグロッサルト=マティチェク氏を講師とする"研修会"を柱とする養成プログラムにより、オートノミートレーニングの実践家"オートノミートレーナー"を養成してきました。2017年からは、その中から選抜された講師による“国内研修会”と"勉強会"、およびグロッサルト=マティチェク氏から直接指導を受ける“ドイツ研修会”を三本柱とする新たなトレーナー育成プログラムがスタートします(下図)。このプログラムによって、より日本の諸事情に対応できるトレーナーの育成を目指します。

認定トレーナー養成プログラム

オートノミートレーナー育成プログラム

  • プログラムの入り口となる「国内研修会Grund(基礎)編」において、参加者用テキスト「学習のてびき」が配布されます。講義やロールプレイでのクライアント体験を通じて背景理論と治療の概要を学びます。
  • 勉強会は、都合の良い回に参加し、ロールプレイでのトレーナー役を経験します。
  • 「ドイツ研修会」においてグロッサルト=マティチェク氏より直接指導を受け、そのうえで“オートノミートレーナーG級”を取得することができます。
  • より専門的に学ぶための「国内研修会Mittel(中級)編」は、①基本スタンスと情報収集、②情報の分析、仮説・解決策の提案、効果の検討、および③パーマネント・オートノミートレーニングをテーマとする3回シリーズで構成されます。
  • 勉強会でのロールプレイや事例報告を通してさらに学びながら事例経験を積みます。
  • ロールプレイでのトレーナー役において、客観的な評価を受けることができます。
  • これらの修練を経て“オートノミートレーナーM級”を取得することができます。
  • オートノミートレーナー育成プログラムに関するQ&Aもご覧下さい。制度の詳細はこちら

スキルアップ支援システム

 当研究会では、技能の向上を目指す認定トレーナーをサポートするための「スキルアップ支援システム」を提供しています。これは次の2つの柱で構成されています。

(1) 質問票とアンケートによるクライアントからのフィードバック

 初回面接に先立ってクライアントに、「グロッサルト理論に基づく行動特性」を評価する質問票(2~3種)に回答していただき、その結果をトレーナーにフィードバックします(下図)。一連のセッション(通常は1~3回の面接による)を終えた日から一定の間隔を置いて、クライアントに同じ質問票、および「治療の感想に関するアンケート」に回答していただき、その結果を繰り返しトレーナーにフィードバックします。これらの情報は、担当クライアントの行動特性の推移を把握し、自己学習のための資源として役立てることができます。

(2) 面接練習会と事例検討会

 定期的に開催している勉強会の中で、出席者がクライアント役となる模擬面接、あるいはボランティア・クライアントを招いての面接治療において、トレーナー役を経験することができます。また、日常業務などで経験するオートノミートレーニング適用事例につき、右記のようなチェックリストを参考にしながら要約を呈示し、事例検討を行うこともできます。

 これらの面接練習や事例検討では参加者全員による集中的な討論が行われますが、その中でトレーナーとしての技術面に関するコメントのフィードバックを受けることができます。その際、上記のようなクライアントからのフィードバック情報(質問票によるグロッサルト行動特性の推移)を含めることで、学習効率が更に高まることが期待できます。これらの機会は、認定トレーナー取得を目指す方はもちろん、これを取得した後のスキルアップを望む方も随時ご利用いただけます。
 詳しくは、会員専用ページをご覧ください。

文献

  1. 永野 純,開原千景,須藤信行,志村 翠,久保千春: 50項目版Self-regulation Inventoryの日本語版開発の試み. 健康支援6:137-144, 2004
  2. 永野 純,須藤信行:疾病親和的パーソナリティ特性評価のための自記式質問票開発の試み-質問項目の作成過程と内容妥当性について.健康科学23:41-52, 2001
  3. 永野 純,須藤信行,開原千景,志村 翠,久保千春: 疾病親和的パーソナリティ特性評価のための自記式質問票「ストレス調査票」の信頼性と妥当性. 健康支援3:107-119, 2001
  4. 永野 純,須藤信行,久保千春,古野純典:日本語版Short Interpersonal Reactions Inventory (SIRI)の心理測定的信頼性と妥当性.行動医学研究7:104-116, 2001

b. オートノミートレーニングの効果に関する介入研究
 上記 a の課題に関して一定の成果が得られた場合は、ランダム化比較試験あるいはこれに準じたデザインの介入研究によって、本療法の効果に関する研究を目指します。

c. エキスパート・システムの開発
 オートノミートレーニングを提供するひとつの形態として、エキスパートシステム(コンピュータによる自動診断・治療システム)の開発を目指します。当面はすでに開発が始まっているドイツ語版の開発に参加し、これに基づいた日本語版の開発を試みます。

 このシステムは、本療法習得のための補助ツールの一つとしても利用可能と期待できますし、一方で、上記 a および bで得られた成果は、逐次日本語版に反映してゆきます。

 これら3つの課題は、それぞれの成果を円環的に互いに反映させながら、平行して進めてゆくことが望ましいと考えられます。

topへ