オートノミートレーニング研究会

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Q&A よくある質問

グロッサルト=マティチェク博士らの研究結果について

グロッサルト=マティチェク氏らによる研究の信憑性についてはかつて議論があったと聞きますが、どうお考えですか。

1970年代後半から1980年代前半にかけて発表された彼らの研究結果が「良すぎるのではないか too good to be true?」として議論を呼びました。この議論に決着をつけるために、グロッサルト行動パターンによる疾患リスク予測について、1980年代後半にかけてスピールバーガー氏ら独立グループによる検証が行われた結果、グロッサルト=マティチェク氏の研究結果は完全に支持されました(下図) [1,2]。グロッサルト行動パターンが博士の理論の全てではありませんが、理論体系の中核をなすため、信憑性についてはその時点で結論が出ているものと考えています。

グロッサルト=マティチェク博士らの研究結果

独立グループによる検証結果: ハイデルベルク研究データの追跡延長研究 1982-1986
  左図: グロッサルトの行動類型と健康
  右図: "ハイリスク"住民におけるオートノミートレーニングによる慢性疾患予防
  ※ がん・心血管病以外による死亡は除いている。生存者の健康状態については調査されていないため、
   緑色の棒は"健康"者ではなく"生存"者である。
  ※ 右図で両群のNが不均等なのは、1982年までの死亡数が介入群<対照群であったことによる。

グロッサルト=マティチェク氏の理論や方法の再現性、他の集団での妥当性や一般化可能性についてどうお考えですか。

グロッサルト=マティチェク氏らの研究では、心理社会的因子の評価は単純なアンケート調査ではなく、よく訓練された調査員が相当な時間をかけて行った個別面接の中で、被験者からの信頼と質問への正確な理解とが得られるような特別な手続きの下になされました。そのような配慮を欠く場合、心理社会的因子と疾病/健康との関連の検出が著しく損なわれることも示されています [3,4]。グロッサルト理論の検証を試みた観察研究は、欧州や日本の独立グループによって発表されていますが、グロッサルト=マティチェク氏らと同等の手続きを用いたものはないようです。それでもなお、相当数の研究がグロッサルト理論を支持する結果を得ています(これまでの研究を参照)。一方、介入研究(オートノミートレーニングの効果)の追試については、私たちの知る限り未だ報告がありません。グロッサルト=マティチェク氏らによる知見の重大さに鑑みると、「良すぎる too good to be true」として単純に排除するのではなく、必要に応じて彼らの協力を請い、できる限り彼らと同等の手続きを用いた追試を行い、その結果を得て議論を進めることが適切と考えます。

文献

  1. Eysenck HJ: Reply to criticisms of the Grossarth-Maticek studies. Psychological Inquiry 2: 297-323, 1991.
  2. Eysenck HJ: Prediction of cancer and coronary heart disease mortality by means of a personality inventory: results of a 15-year follow-up study. Psychol Rep 72: 499-516,1993.
  3. Grossarth-Maticek R, Eysenck HJ, Barrett P: Prediction of cancer and coronary heart disease as a function of method of questionnaire administration. Psychol Rep 73: 943-959, 1993.
  4. Grossarth-Maticek R, Eysenck HJ, Boyle GJ: Method of test administration as a factor in test validity: the use of a personality questionnaire in the prediction of cancer and coronary heart disease. Behav Res Ther 33: 705-710, 1995.
  5. アイゼンク HJ: たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか―癌と心臓病の有効な予防法を探る―. 星和書店, 1993

オートノミートレーニングについて

精神分析療法や認知行動療法など、他の治療法とオートノミートレーニングとの異同についてどうお考えですか。

興味深いテーマですが、現時点で明確な回答は持っていません。長年グロッサルト=マティチェク氏と研究を供にした故・アイゼンク氏は行動療法の創始者の一人である一方、若き日のグロッサルト=マティチェク氏を強く支持した故・バスティアーンス氏は精神分析療法の大家でした。また、認知行動療法の第一人者である熊野宏昭氏は、「行動療法の最前線で発展しつつある『新世代の認知行動療法』(ACTやDBT)と相通じるものがある」と指摘し、その共通点について論じています(オートノミートレーニング(星和書店刊)の解説を参照)。グロッサルト=マティチェク氏自身は、「様々な専門性を持った各人が、それぞれの知識や経験を踏まえて本療法を取り入れることが可能である」と語っています。

キャリアのうえで本療法を習得するメリットがありますか。

本療法の適応範囲は幅広く、ドイツでは医療や健康領域のみならず、プロスポーツ選手やコーチ、教育者、企業の開発部門エンジニア、牧師、経営コンサルタント、企業経営者など、様々な人々が学び、それぞれの現場で応用されているようです。日本でも、グロッサルト=マティチェク氏による認定を受けたトレーナーが医療や産業保健領域での応用を始めています。

オートノミートレーナー育成プログラムについて

2017年から新たな制度に移行しましたが、従来の制度で受けた認定からの移行措置はありますか?

はい。旧制度の下で経験されたこと(研修会への参加、勉強会でのロールプレイ経験や事例報告、Webアンケートシステムを用いた事例経験など)は、すべてそのまま新制度において活かすことができます。たとえば、旧制度でオートノミートレーナーの認定を受けた方のうち、勉強会でのロールプレイを経験済みの方はそのまま新制度での「オートノミートレーナーG級」へと移行できます。あるいは、新制度で求められる要項のうち、これまでの経験で不足している要項を追加して修めることにより、「オートノミートレーナーG級」や「オートノミートレーナーM級」の認定を受けることができます。

研修会を受講する前に、グロッサルト=マティチェク氏による「解説書」を読んでおいた方がよいでしょうか。

はい。ただし必ずしも内容を網羅的に理解する必要はなく、関心のある箇所を中心に概要を把握しておけば十分です。同書の「訳者まえがき」にある「読み方ガイド」を参考にしてください。

育成プログラムを受講するかどうか判断するために、研修会や勉強会にオブザーバーとして参加することは可能でしょうか。

はい。研修会では原則としてビジターを受け入れておりませんが、勉強会にはビジターとしてご参加いただくことが可能です。ご希望の回を指定して、までお問合せください。

講演について

オートノミートレーニング関する講演は依頼できますか。

はい、ただし(例えば市民講座など)一般の方を対象としたものではなく、医療や産業保健に従事する方々(医師、保健師・看護師、カウンセラー等)、および研究者(医学、疫学、心理学等)を対象とした講演を行っております。例えば院内勉強会のような少人数の集まりでも結構です。謝金等は不要ですが、遠方の場合は交通費を申し受けます。詳しくは世話人会までメールでお問い合わせ下さい。

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