第6回研修会(一期~五期生合同:2016.7.16―19, ハイデルベルク)
ハイデルベルクでの4回目の開催となった第6回研修会は、一期生(1名)・二期生(4名)・三期生(1名)・四期生(1名)に新たな参加者である五期生(8名)の15名、それにオブザーバー参加者2名と世話人2名(いずれも一期生)を交えて開催されました。合計19名の職種は医師9名(内科4、精神科2、産業医2、総合診療科1)、カウンセラー8名、看護師1名、鍼灸師1名、居住地は関東4名、中部6名、近畿6名、九州6名でした。講師はR. グロッサルト=マティチェク氏、通訳はT. ヴィンシャーマン氏でした。
今回は、ほぼ全ての時間を面接セッションと討論に充て、時間割も設定しないゆったりとしたプログラムで臨みました。結果的にセッション数は8回と前回よりもさらに減りましたが、その分討論や質疑応答に十分時間をかけ、理解を一層深めて共有することができました。そして、新たに3名がグロッサルト氏によるトレーナー認定を受けました。
参加者の感想より 参加者のレポート
- オートノミートレーニング(以下、AT)ではどんどん仮説を提示していき、クライアントが符号点に至る、あるいは符号点に近づいているかどうかというフィードバックを受けて、随時仮説を修正し、提示していく。その点において、問題に関する仮説を生成する際の自由度が高いように感じた。
- アンビバレントな関係にある感情を認めるというATの手法は、偏った感情のバランスを正常化するものであると感じた。漢方(医学)にも偏ったバランスを治すという考え方があり、ATとの共通性を感じた。
- トレーナーとの対話が進む中でクライアントの心が開いてゆき、クライアント自ら符号点へ到達していくゆくプロセスを目の当たりにすると、技法よりも「プリンシプル」、つまりクライアントを深く信頼し、承認することこそ大切ではないかと感じた。
- ハイデルベルクを訪れることで雑多な日常から切り離され、自分の過去の記憶や無意識と対話することができた。精神分析や行動療法、その他の療法が見事に融合して短期的に真の問題解決に至るというATは、もっと学ぶ人が増えて然るべきだと思った。
- (クライアントを経験して)トレーナーから、自分では思いもよらなかった方向からの質問があり、驚くと同時に、それまでバラバラだと感じていた自分の問題がつながり、中核的な気づきに至ることができた。今後の自分の生活や臨床にとってとても大切な体験となり、またトレーナーによるクライアントへの深い感情移入がいかに重要かということを身をもって理解できた。
- クライアントが自ら重要な気づき、符号点へと到達するための質問方法、(必要に応じて)無意識に問いかける方法を学ぶことが出来たので、今後は特にそこを鍛えていきたい。クライアントが本当に求めていることは何かをしっかりとらえることの重要性を再認識した。
- 仮説の立て方やトレーニング方法の提案など、トレーナーには幅広い知識とセンス、根底にある人間力が必須であると感じ、一筋縄では進まないことも痛感した。素晴らしい手法であるが故に、「限られた人」ではない「一般の人」が理解でき、実践できるようになるためには、もう少し体系立った整理が必要であるとも思った。
- クライアントが主体となって中核的な問題を見いだし、解決策を探る、その過程を対等な立場で支援するATの原則は、考えてみれば当然のことかもしれないが、開発から数十年を経た現在でもとても新鮮なものに感じた。一朝一夕に修得できるとは思わないが、いくつかの典型的パターンを学習し、経験を重ね、いずれ自分なりのATができるようになりたい。
- とても深い学びになったのは、クライアントの無意識の層に抑圧された葛藤と共に、クライアントが持っている真の欲求を意識化し、それを現在の意識と統合するダイナミックな手法であった。その結果自分の真の欲求を満たしながら快と幸福に舵を取れることは、一生の宝になると感じている。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |