一般社団法人 日本オートノミー協会 ―「自律性」を手がかりに個人や組織の健康を目指す―

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第5回研修会(一期~四期生合同:2015.09.20―09.23, ハイデルベルク)

 ハイデルベルクでの3回目の開催となった第5回研修会は、一期生(4名)・二期生(4名)・三期生(1名)に新たな参加者である四期生(3名)を交えて開催されました。合計12名の職種は内科医4名、精神科医6名、麻酔科医1名、カウンセラー1名、居住地は関東2名、中部4名、近畿2名、九州4名でした。講師はR. グロッサルト=マティチェク氏、通訳はT. ヴィンシャーマン氏でした。

 今回は、3日目の午前中を休養&自由時間に充て、講義は1つのみとし、他の時間はほぼ全てを面接セッションと討論に充てました。始めての試みとして、日本人ボランティア・クライアントにご協力いただいて実施しました。いずれも印象深いセッションであり、参加者にとっては一層新鮮な学びの機会となりました。欧州滞在中に遠路ハイデルベルクをお訪ねいただいたお二人には、改めて感謝します。セッション数は合計で9回とやや少なめでしたが、討論に十分な時間をかけたことで、数々の疑問点を解消し、さらに理解を深め、共有することができました。そして、新たに4名がグロッサルト氏によるトレーナー認定を受けることができました。

 懇親会は、会場となった郊外の修道院までミニ遠足となりました。院が経営するビール醸造工場に併設されたレストランで、美味しいビールと新鮮な魚料理を楽しみました。

参加者の感想より

  • ATではあくまでもクライアントが認識するテーマで対話を進めるのであって、クライアントが認識できないか抵抗を感じるような無意識の領域は扱わないということを改めて理解した。
  • これまでは慢性的な苦悩を受容するという治療を行ってきたが、これからはATを用いて、快志向の行動を喚起する観点を加えてみたい。
  • セッションを観察する中で自分なりに力動的理解やトレーニング方法を考えておき、討論の中でトレーナーの理解とすり合わせる作業を行うことが、とても面白く感じられた。
  • トレーナーとの相互作用によって生じる心情の変化について、セッション後の討論の際にクライアント自身から直接情報が得られることによってよく理解できた。そのようなセッションを集中的に経験することによって、短期間で面接能力を向上できるように思う。