第4回研修会(一期・二期・三期生合同:2015.04.30―05.03, ハイデルベルク)
ハイデルベルクでの2回目の開催となった第4回研修会は、一期生(6名)・二期生(3名)に新たな参加者である三期生(3名)を交える初の試みとなりました。合計12名の職種は内科医4名、精神科医2名、麻酔科医1名、産業医1名、カウンセラー3名、看護師1名、居住地は関東2名、中部2名、近畿4名、九州4名でした。第1回研修会と同様に、講師はR. グロッサルト=マティチェク氏とB. ゴディーナ氏、通訳はT. ヴィンシャーマン氏にお願いしました。このほかドイツ人のオブザーバーが合計6名参加しました。
2つの講義以外の時間は、ほぼ全てを個人面接療法セッションと討論(合計11回)に充てました。三期生は主にクライアント役を、二期生はクライアントおよびトレーナー役を経験し、一期生はスーパーバイズにも挑戦しました。新たに3名がグロッサルト氏によるトレーナー認定を受けることができました。
今回は、予習会(4月19日、京都)で基礎知識を整理して共有し、参加者同士の懇親をはかったうえで研修会に臨んだこと、および日本人同士の対話に同時通訳を導入したことにより、限られた研修の時間をより充実したものにすることができました。
参加者の感想より
- (クライアント経験では)トレーナーの基本姿勢が肯定であり、葛藤状況が肯定されることによって、ひとつ上の次元にすっと統合されていく体験ができた。(トレーナー経験では)聞きすぎない、掘り下げすぎないことに留意して臨んだ。主題が何であるかを見抜くことができるように感情や考えを観察していくことが今後の課題となった。
- (クライアント経験において)符号点に達した時、それまでの対話とは違う、身体が温まり、トレーナーに包まれたような感覚を得たことがとくに印象的であった。
- ハイデルベルクという歴史ある街で濃密な時間を過ごし、「命」「生」「愛」「人」「家族」と自身を振り返る良い機会となった。人間の本質に目を向け、真摯に取り組むグロッサルト氏の姿勢に心を打たれた。
- 最初の研修ではトレーナーになる自信が持てなかったが、その後の勉強会を経て今回の研修会に参加し、本療法の核となる考え方や理論がより明確になった。中心的な基盤さえしっかりしていれば、各トレーナーなりの、あるいは各トレーナーらしい介入が可能であるということを学ぶことができた。
- 研修会参加を重ねるにつれてクライアントの感情により敏感に反応できるようになり、面接技術が向上してきたことを実感している。
- クライアント役、トレーナー役、スーパーバイザー役としてセッションを体験し、そのうえで参加者・講師間での弁証法的な討論を通じて振り返るスタイルは、参加者のセルフレギュレーションを高め、理解を促進する手法として有効であると認識した。
- 転移をトレーナーが引き受けるのではなく、クライアント自身で転移状況を乗り越えていく力があることを承認し、トレーニングを提案していくことで符号点に到達し得るということを学ぶことができた。
- セッションの対話を聞きながら伴走して着いていき、次の問いかけや符号点への至り方、話の深化の仕方、どこに焦点を当てるのか、どこを取り上げるのか等、考えながら学ぶことがとても楽しく、充実した時間に感じられた。
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