第2回研修会(一期生向け:2014.09.13―16, 福岡)
R. グロッサルト=マティチェク氏を講師として福岡に招いた第2回研修会には、第1回研修会に参加した一期生12名全員が参加しました。日独通訳は、第1回に続いてT. ヴィンシャーマン氏が担当しました。
主な内容は、12回のスーパービジョン・セッション(治療者役、クライアント役とも参加者、グロッサルト=マティチェク氏が指導者)と討論でした(詳細はプログラムを参照)。参加者の全員がクライアントと治療者の双方を経験しました。また、これらのセッションでの対話、セッションに際して行われた質疑応答、討論における質疑応答等が、講師による「認定トレーナー」評価の対象となりました。その結果、12名全員がトレーナーとしての認定を受けることができました。
これから研修修了者は事例の経験ならびに勉強会での研鑽を積み、トレーナーとしての技量と資質の向上に努め、また学んだ知識を研究に活かしてゆく予定です。また一部は、今後さらに「認定指導者」を目指す予定です。
参加者の感想より
- 研修会で多くの事例を経験することで、クライアントの感情と認知が何にコントロールされているのかを立体的に見る力が習得できた。
- (事例の経験において)なかなかうまくいかなかったのは、分析や符合点を意識しすぎて力んでいたからだと気づいた。研修中に多くのセッションを見る中で、しだいに自分がトレーナーならこういうアプローチを考えるという自分なりのアイデアが自然と湧き起こるようになり、今後の活動についての大きな自信につながった。
- 各参加者の能力が短期間で格段に向上していたことに驚いた。クライアントと相談しながら問題解決を図るというATの考え方を活かすようになってから、治療に際して感じがちであった焦りや苦痛が軽くなっている。
- 参加者全員で「相互作用的な場」を創造するという感覚を、ハイデルベルクと同様に福岡の会場でも感じた。クライアントと協働して創造的な解決へと至るためには、トレーナー自身がリラックスすることが重要だと分かった。
- (初回研修の後)クライアントとの対話が増え、より深く理解しようとする姿勢が身についてきた結果、より多くの解決策を提案できるようになっている。その分だけ、トレーナーとしての自分に余裕が生まれてきたように思う。リラックスし、ともに考えていくというトレーナーの姿勢が、創造的な雰囲気を作り出し、符合点へと至る道筋をつけるのだと思う。
- あっという間の4日間であったが、今回はいくつか事例を経験して臨んだこともあり、自分の中で腑に落ちるような、より充実した研修となった。トレーナー自身のオートノミー性がセッションの土台となるのだと分かった。
- 参加者からの一つの意見には対立意見が出て弁証法的プロセスが生まれ、それが各人のセルフレギュレーションを刺激する。その意味で、参加者全員で集団的オートノミートレーニングを実践したかのような印象を持った。
- 今回の研修で自らの「快」がさらに向上し、帰宅した際に家族から「顔が全然違う」と言われた。初回研修後に生じた多くの疑問が解決する一方で、ATをトレーナーとしての自分にいかに統合するかが極めて重要であることを改めて認識した。
- トレーナー自身がトレーニングを続ける必要があるという考えを素直に理解できたことで、自分の今後の人生が一体どのように変化していくのか楽しみに思うようになった。
- (初回研修の)クライアント体験を経て、自分自身の中核的な問題を自ら解決できるようになり、感情に大きな変化があった。治療者として、以前と比べてはるかに短時間でクライアントに変化をもたらす効果に驚くとともに、自らクライアントを経験することの重要性を強く感じた。
- (初回研修後に)自分自身について考えてみたところ、アンビバレントな感情が残る対象の存在に気づいた。これを解決するトレーニングを試みた結果、元気になるのが分かり、長く忘れていた基線に戻ったような感覚を得た。
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